古代史は小説より奇なり

林業家kagenogoriが古代の謎を探求する

縄文人とイヌイットの関係? アラスカ発見のペトログリフが真脇出土のものと似てるような・・・

 

 

 

 

 

 

 まずはこちらの記事(5/28(土)付)をご覧ください。

 

 雑誌『サライ』さんのサイトからお借りしました。

serai.jp

 

 

(こちらも別のところからお借りしましたm(_ _)m)

出典: USDA Forest Service Alaska Region

 

 

先史時代のものであるペトログリフ(岩面彫刻)自体は世界中で見つかっており、

 

それらは距離的に大きな幅があるにもかかわらず、

 

その文様のデザインは(すべてでは無いですが)

 

どれも比較的似通っているように思われます。

 

 

その代表的な文様のひとつが上記写真に見られるような同心円状の文様です。

 

 

 

 

 

記事にもあるように、このアラスカのペトリグリフ(岩面彫刻)

 

8000年前という意見が有力なようです。

 

 

日本列島で云えば、、

 

縄文文化が飛躍的に発展し始める縄文前期(7300年前~5500年前)

 

よりもさらに古い、縄文早期(1万1000年前~7300年前)のあたりです。

 

 

 

一方、下に示すのは、

 

石川県能登地方の縄文遺跡、真脇遺跡から出土した「装飾木柱」

 

その個性的な外観から俗に「縄文のトーテムポール」とも呼ばれているものです。

(ちなみにアラスカのトーテムポール自体の歴史は浅く、白人文化と接触して以降のものと考えられています)

 

真脇遺跡出土の「縄文のトーテムポール」(教養文庫『縄文からのメッセージ』より)


5000年前(縄文中期)のものです。

 

 

はっきりした同心円状の文様があることが分かりますね。

文様部分の拡大とスケッチイラスト(教養文庫『縄文からのメッセージ』より)

 

 

真脇遺跡は、

 

縄文前期(7300年前~)、縄文中期(5500年前~)、

 

縄文後期(4500年前~)、縄文晩期(3200年前~2900年前)

 

にわたる集落遺跡です。

 

単純計算なら4000年にもわたって栄え続けた稀有な縄文遺跡なのです。

 

 

 

それぞれの時代から重要な遺物が出土していますが、有名なものを挙げますと、、

 

前期 : 装飾木柱(前出↑)、大量のイルカの骨、丸木舟の櫂、

 

中期 : 大型石棒、鳥形土器、有孔つば付土器、大量のイルカの骨

 

後期 : 土製仮面、注口土器

仮面のまつり土製仮面(真脇遺跡

 

晩期 : 巨大木柱根(環状列木、いわゆるウッドサークル)、

     御物石器、石冠、石刀

 

 

 

真脇遺跡縄文時代の遺跡としては、かなり大規模な中核遺跡とされ、

 

また「祭祀」に関わる遺物が多いことも特徴です。

 

そのことを最も端的に示す遺物こそが、例の装飾木柱なのです。

 

 

 

この装飾木柱はその後作られることは無く、

 

この直後あたりから北陸・飛騨で主に見つかる「玉抱き三叉紋付き石棒」

 

に置き換わったと見られています。

 

教養文庫『縄文からのメッセージ』より)

石川・富山・岐阜県飛騨地方で出土する「玉抱き三叉紋付き石棒」



 

この一見目玉のような、あるいは女性器のような文様はなんでしょうか、、、

 

 

アラスカは8000年前、真脇出土の木柱製品は5000年前、、、

 

と時代に開きがありますが、

 

 

日本列島にも、この文様とそれに関する概念は、

 

5000年よりももっとさかのぼるのかもしれません。

 

 

 

また日本列島とアラスカは、地理的にもかなり離れています。

 

 

 

恐らく、ですが

 

有史以前の日本列島から、すくなくともアラスカにかけて、

(もちろんこの範囲はもっと広がっていた可能性もあります)

 

この文様に象徴される共通の概念があったのではないか、、、

 

そう推測することも可能だと思われます。

 

 

 

日本とアラスカ、両方に共通する概念、、、

 

ワタシが思い浮かぶのは「シラ」です。

 

 

「シラ」の概念、あるいは「シラ」の信仰、、

 

詳しくは過去記事(↓)に譲りますが、

 

一言で言うならば「死と再生」の思想・信仰ということです。

 

 

「シラ(sir-)」に関連する言葉、概念は、

 

環太平洋を中心に、世界中に散見されます。

 

kagenogori.hatenablog.jp

kagenogori.hatenablog.jp

 

 

上記に挙げた過去記事でも述べましたが、

 

「シラ」の本源とは、

 

大自然の大いなる力・精霊(スピリット)であり、

その特有の力である「転換力」を以て、

 

・ものを浄化(キヨメ)し、

・誕生、再生、生命力の更新を実現し、

・農作物の豊穣、狩猟採集物の豊饒をもたらす、、、

 

それが「シラ」だと考えられます。

 

 

このような「シラ」は、

 

おそらく縄文時代から続く、泰澄以前の「シラヤマ信仰」に色濃く見られ、

 

 

またアラスカにも同じ意味を持つ、

 

まさに「シラ」と呼ばれる「大自然の大いなる力」が信じられていました。

 

 

そしていうまでも無く、これと同じような概念・信仰は、

 

「シラ」という言葉であったかどうかはともかく、世界中に見られるものでした。

 

 

 

真脇遺跡の装飾木柱(縄文のトーテムポール)の文様が、

 

「女性器」に酷似していたことを思い出して下さい。

 

 

これこそ「生命の誕生・再生」に関わる「シラ」に密接した文様だったのではないか。

 

想像の翼をやや広げてしまえば、そう考えることも可能です。

 

 

装飾木柱の後を引き継ぐ「玉抱き三叉紋付き石棒」の目玉のような文様も、

 

実は同じような意味があるとも考えられています。

 

 

アラスカのペトログリフには様々な文様や意匠が発見されていますが、

 

その中でも同心円状の文様には、日本列島のシラヤマ信仰に引き継がれる

 

「シラ」と同じ意味があった、

 

 

とすれば、ロマンがありますね(*^^*)

 

 

 

 

 

今回、取り急ぎ書いた記事ですので、

 

欠けてることや説明不足の部分などもあったかもしれません。

 

とりあえず、、、あしからず(笑)ということでm(_ _)m